松尾神社 matsuojinja
ひとくちメモ
川棚温泉にある妙青寺の背後の山に鎮座しています。 天正年間(1573〜1592)に当所守護神として京都右京区松尾に御鎮座の元官弊大社松尾神社より観請されました。 現在の社殿は萬治3年(1660)に再建されたものです。 参拝を済ませ山道の参道を下って降りたところに近代的な下関川棚温泉交流センターが建っています。
境内の由緒看板には「青龍権現と称せしときもあり、温泉の源に住みし青龍を併せ祭ったとも云う。」とあります。
青龍伝説
はるか太古の昔、豊浦の奥深い森に囲まれた泉に一匹の青龍が住んでいました。 清らかで豊富な泉の水は、村に豊作・豊漁をもたらしていましたが、ある時この地を大地震が襲い、泉を埋め、青龍も亡くなってしまいました。 青龍を失った村では長く日照りが続き、困った村人達が青龍を祀るための社をつくり、祈り続けたところ、 青龍の住んでいた泉のあった場所から温泉が湧き出し、それまで病気で苦しんでいた人たちが温泉の湯を浴びると、元気になったといいます。 しかし、その後月日がめぐり温泉が枯れてしまうと、青龍のことも人々の記憶から忘れられようとしていました。 応永年間(1394~1427)、再びこの地を日照りと疫病が襲い、川棚の三恵寺の住職であった「怡雲(いうん)和尚」は、 厄災に苦しむ人々を助けたい一心で仏に祈り続けました。 ある晩、怡雲和尚の枕元に薬師如来が現れ、枕元で和尚にこの土地に住む青龍の伝説と人々の病気を治した不思議な温泉の物語を告げました。 怡雲和尚は温泉を再び掘り返す決心をし、村人の協力を得て見事に温泉を掘り起こしました。 その温泉の湯を浴びると人々の病気は次々に回復したといいます。 村人たちは温泉が二度と枯れることのないよう青龍をお祀したといわれ、今も青龍権現(松尾神社)に守られた川棚温泉は枯れることなく沸き続けています。